将来「お金持ちになりたい」で失敗する理由。目標設定に欠かせない「始点と終点」の法則

思考・雑学

はじめに:漠然とした目標の危うさ

「将来の夢はなんですか?」

よく聞かれる質問だと思います。あなたならなんと答えるでしょうか?

この問いに対して、「お金持ちになりたい」と思う人や、日々の生徒とのやり取りの中で、実際にそう答える生徒は少なくありません。

もし、本気でお金持ちになりたいのであれば、このままでは上手くいかないで終わってしまいます。これは「金持ちになるのは無理だ」と冷笑しているわけではありません。お金というのは基本的には「あればあるほど良い」ものなので限界がないのです。

例えば、今は所持金が0円だったとしましょう。

流石に何かあったら困るので、お金が欲しいはずです。

自分の部屋で100円を見つけました。所持金は100円です。0→100とものすごく数字上は増えました。これで満足でしょうか?

まだまだ、足りないですよね?100円で買えるものなどたかが知れています。では、いくらなら満足できるでしょうか?

10倍の1000円?
100倍の10000円?
1000倍の100000円?

それぞれで買えるものが増えていきますが、なんでもできる額ではありません。
1000円は飲み物などは大体買えますが、外食に行くには心許ない額です。でも、100円の時よりはお金持ちです。

10000円であれば、よっぽどの高級店でなければ大体のお店で満足のいく食事ができるでしょう。ただ、新しくゲーム機を買ったりスマホを買い替えたりすることはできません。でも、1000円の時よりはお金持ちです。100円から比べるとかなりお金持ちです。

100000円なら、かなりできることが増えていきます。ゲーム機とソフトを買っても余るし、スマホの機種代の頭金にはなるでしょう。でも、遊んで暮らしたり、家を買ったりするには全然足りません。でも、10000円の時よりはお金持ちです。1000円から比べるとかなりお金持ちです。100円からなら超お金持ちです。

これをやっていくと自分の欲望が果てしないことに気付くのではないでしょうか?

1000万円あっても、ずっと遊ぶには足りません。

5000万円あったら、家が買えるような金額かも知れませんが、それで終わりです。

このように考え出すとキリがないのです。庶民が扱える範囲で言えば、お金はあればあるほど良いからです。

そのため、「お金持ちになりたい」と思った時のお金持ちになれたとしても、「なんか違う」という結論になってしまう危険性があります。確実に「お金持ち」になっていたとしても、です。

今回はみんな大好きなお金を例に、目標設定のコツとして「はっきりとしたゴールを決めること」と、失敗しにくい目標の立て方について考えていきたいと思います。

狙った直線を引くことと、目標を決めることの共通点

紙の上にまっすぐな「直線」を引く場面を想像してください。きれいな線を引くには、何が必要でしょうか?

きっと、多くの方が「定規」と答えるのではないでしょうか。もちろんそれは正しいのですが、実はそれだけでは足りません。

手元に定規があったとしても、 ただ定規を当てただけでは、長さも方向もわからない、当てずっぽうの線になってしまいます。紙の「どこから」線を書き始めて、「どこで」線を止めれば良いのかが実は重要なんです。

これは目標設定にも重要なことで、狙った線を引くのも目標を立てるのも、必ず「開始点(スタート)」と「最終点(ゴール)」の2つの点が必要になるのです。

実はこれ、人生の選択や目標に向かって頑張ることと、よく似ていると思いませんか?

開始点である「現在の自分」は、すでにそこにいるので変えようがありません。だからこそ、最終点である「ゴール(目標)」をはっきりと決めないと、どの方向に、どれくらい定規を当てて線を引けばいいのか迷ってしまいます。ゴールがぼんやりしていると、ただ漠然と線を引くことになり、本来行きたかった場所にはたどり着けない可能性が出てきてしまうのです。

曖昧なゴールが招く「もったいない頑張り」

目標が曖昧なままだと、たどり着けないだけでなく、「過剰に頑張りすぎてしまう」という無駄を招く可能性もあります。

たとえば先ほどの「お金持ちになりたい」という例。具体的に「いくら欲しいのか」という数字がないと、どうなるでしょうか。

ここで同一企業でそれぞれの卒業タイミングから60歳まで勤め上げた際の、高卒と大卒における男性の生涯賃金を例にしてみると、

高校卒:2億5,670万円
大学卒:2億8,970万円

独立行政法人労働政策研究・研修機構の「ユースフル労働統計-労働統計加工指標集-(2025年版)」より

このようになっているようです。

極端な例を出すと、「3億円の豪邸が欲しい」という夢があった場合は、自力で夢を実現するのはほぼ不可能という結論になってしまいます。そのため、いつ貯まるかわからない金額を夢見て退職まで頑張ったのに、(かなりの貯金は貯まるでしょうが)報われないという悲しい結末を迎えてしまいます。

逆に、「趣味の時間があれば質素倹約な生活でも大丈夫!計算すれば生涯で2億円あれば足りる」とまで言える人の場合は、わざわざ60歳まで働かずとも足りるのです。数年か十数年早く自由な時間を過ごせることになります。

目標がふんわりしていると、日々の行動に結びつかず、結果的にお金が足りなくなったり、自由な時間が足りなくなってしまうかもしれません。

中には、

老後にお金が足りなくなったら困る!

と心配する人が多くいると思いますが、もし60歳まで勤めた後でも働いた場合の賃金も調べてみると次のようになりました。

高校卒:2億7,530万円(18〜72.9歳)
大学卒:3億3,950万円(22〜72.9歳)

独立行政法人労働政策研究・研修機構の「ユースフル労働統計-労働統計加工指標集-(2025年版)」より

ケースバイケースにはなってしまいますが、12.9年で1,860万円〜4,080万円ほどの追加が平均としては見込まれるようです。

ずっと先の話なので確証はありませんが、年金分も収入にプラスされます。

もし、生涯賃金だけでは足りないのであれば定年後も働けそうな業種を選ぶのも1つの作戦なのかも知れません。

「好きなことを仕事にする」ためにも具体性がいる

お金に対する不安というものは計り知れないものがあります。

様々な未確定なものの集合体だからです。

漠然とした不安から、「たくさん稼がなきゃ」と必要以上に頑張りすぎてしまうこともあるでしょう。具体的に「自分は月に〇〇万円あれば楽しく暮らせる」と分かっていれば、自分の時間や健康を犠牲にしてまで働きすぎる人は多く出てこないはずです。

もちろん、がむしゃらに頑張った結果の失敗や遠回りも、決して無駄ではなく、人生の大切な経験になります。ただ、限られた人生の時間を楽しく使うためには、こういった「目的のズレによるもったいない頑張り」は、なるべく減らしたほうが良いのではないでしょうか。

なんにせよ、自分の生活にどのくらいのお金が必要で、自分のやりたいことはどんなことなのかを具体的に考えることが大事という話になります。

この話は、進路や仕事選びにもそのまま当てはまります。

ほとんどの人は、社会人として仕事をしてお金を稼がなければ生きていけません。その仕事を選ぶとき、「好きなことを仕事にする」というのを重視する人が多いようです(いろんな調査でもよく1位になっていますね)。

これもとても素敵なことですが、やはりここでも具体的な話が重要です。「自分は一体、何が好きなのか。何をして生きていきたいのか」をしっかり認識することが大切になってきます。

• 何がしたくて、何をしたくないのか。

• 何が得意で、何が苦手なのか。

• どんな働き方が良くて、どんな働き方が嫌なのか。

こういった「自分の本当の気持ち」をしっかりと見つめ直し、自分自身に向き合うこと。それこそが、進路決定という直線を引くための「ゴール(最終点)」を決める作業になります。

まとめ:学校は「自分」を知るための場所

具体的なゴールを設定するためには、まず「自分はどういう人間なのか」を知る、いわゆる自分探しが重要になってきます。

もしかすると、学校生活という時間は、その「自分が何者なのか」を探すための場所なのかもしれません。

日々の授業や部活、友達との関わりの中で、好きなことや嫌いなこと、得意なことや苦手なことを見つけていく。そうやって少しずつ、自分だけの「具体的な目標」という点が打てるようになっていくのだと思います。

今、あなたが引こうとしている線の先には、どんな点が打たれていますか?

少し立ち止まって、自分自身の「ゴール」を具体的に思い描いてみてはいかがでしょうか。

※おわりに(予告)

今回は目標設定の例として「お金」の話に少し触れました。この「お金との具体的な向き合い方(金融教育)」というテーマについても、いずれこのノートでしっかり考察してみたいと思っています。そちらもぜひお楽しみに。

作成しました。お金の価値と自分の価値についての記事です。

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